箱根湯坂路を歩く

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    箱根湯本から湯坂路を往く。

    湯本の駅から歩き始めて10分ほど、橋を渡ってすぐ正面の山に人ひとりがやっと通れるほどの細道が斜面を登っている。ハイキングコース入口の道標がこじんまりと立ててある。ここから登る。金曜日に降った雨のためか、ハイキングコースの土も石もまだ濡れていて油断すると滑りそうだ。旧街道らしく石畳が残る箇所もあるが、結構急な登りで予想以上に歩きにくい。下の道路を通る車の音が

    あっという間に聞こえなくなった。替わりに野鳥のさえずりがはっきりと聞こえてくる。野鳥たちに励まされて登り続けると、すぐに平坦地に出る。湯坂城跡だ。土塁跡と曲輪跡は残っているが、道を通すのに主要な城郭の要素は削られ埋められたに違いない。尾根筋に築かれているのであるから、さぞかし立派な堀切があったはずだ。湯坂城跡を過ぎると、再び登りが待っていた。(後から思えばこの登りは堀切跡かもしれない・・・)

     

    芦の湯側の出口にようやく辿り着く。鷹巣山からはあっという間だ。こちらから登ればずいぶん楽なように思える。

    芦の湯の出口の少し手前に飛龍の滝経由で畑宿へ降りる分岐点がある。今日はこちらから畑宿経由で戻る。針葉樹の植林の中、長い階段を降りていく。非常に歩きにくいステップ幅と高さで一気に下る。こちらかは絶対に登りたくない、そう思わせる階段だ。右手方向から水の流れる音がしてくる。滝が近いのだろう。針葉樹の植林を抜けてもまだ下る。ゴツゴツとした山道を滑らないように慎重に降りる。川の音がはっきりと聞こえてきた。正面に橋が架かっている。飛龍の滝だ。橋を渡って少し登ると、滝の一段目が見えるところまで行ける。

     

    もう1、2週遅ければもっと紅葉も鮮やかな色を見せてくれたかもしれない。このコースの残念なところは、眺望スポットがほとんどないことだろうか。そうは言うものの、ハイキング道は非常によく整備されており、またハイキングコースの入口も複数あって自分に合ったコースが設定できるのは非常に素晴らしい。

     


    熊本城訪問

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      加藤清正を祀った清正神社から、無残な姿となった熊本城の天守がよく見える。

      石垣という石垣はあちらこちらで崩壊し、その上に乗っかった櫓は傾いたり、あるいは足場を失って石垣と共に崩れてしまっている。

      周遊バスで熊本城の廻りを巡って頂きたい。⇒しろめぐりん  http://www.shiromegurin.com/

       

      天守の瓦は落ち、石垣も大きな被害を受けている。

      大天守の痛々しい姿。

      大好きな宇土櫓も。

      右側の櫓は完全に崩れてしまっている。
       


      山の辺の道を歩きに行こう

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        何を思ったか、この猛暑続きの中、山の辺の道を歩きに行くことにした。
        古事記に数多くの神社が出てくるが、最も印象に残っているのが 三輪神社、大神(おおみわ)神社である。一度行ってみたいと思っていたところに、たまたま読んでいた司馬遼太郎の「街道を行く」で石上(いわのかみ)神宮を訪ねるくだりに遭遇する。この後司馬氏は大神神社へ向かうのだが、歩くのが嫌いな彼は理由をつけて車で移動する。本音かどうかは分からないが「やはり歩いてみるべきだった」と記している。さて、石上神宮である。司馬氏のこの文書に出会うまで興味がなかった、と言うより知らなかった。石上神宮についての説明は省くが、「行ってみたい」ところのひとつとなってしまった。
        自分の中で大神神社と石上神宮の点と点とが繋がった。繋がって線になったところに山の辺の道が重なる。その途中には崇神天皇陵まである。これは歩きに行くしかない。
         

        初詣は箱根神社

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          この年末年始は、どこに出かけることもなく、なんとなく過ごしてしまった。このままでは、折角の休暇を浪費してしまう。
          カミさんに頼んで一日自由時間を貰った。どこに行こうか決めぬうちに新宿まで出ると、取り敢えず小田急の急行小田原行きに乗って西へ向かう。相模大野で座っていたらそのまま小田原方面、座れなかったら江ノ島方面へ乗り換える。いい加減な出たとこ勝負のプランだ。着いた所で初詣の神社を決めよう。でも、鶴岡八幡宮は混んでいるだろうから、できれば避けたい。寒川神社とか渋いかもしれない。と、下北沢で目の前の席が空いたので腰を下ろした。小田原方面へ向かうことにした。厚木で乗り換えて寒川神社という選択肢もあるが、急行が止まらないという理由で却下。そうなると、初詣の候補は・・・箱根神社しか思いつかない。
          小田原で乗り換えて、箱根湯本に着いたのは11時を廻っていた。以前から「箱根に行ったら是非」と考えていたのが、箱根の旧街道踏破である。それにしても下調べが不足している。芦ノ湖からの交通機関はどうするか、今から出発して今日中に帰れるのか、まったくわからない。たいてい駅にはそこらあたりを紹介した無料のパンフレットが置かれているはずだが、正月休みで訪れた大勢の観光客がすでに持っていってしまって、休み中のため補給もされていない、そんな状況だ。
          これは、改札を出ずに日を改めた方がいいかも、とも考えたが、初詣だけでもと思い直し、芦ノ湖までバスで移動することにした。
          箱根神社で初詣を済ませ、旧街道を湯本まで歩くことにした。
          雪が旧街道を覆っていた。石畳の上はところどころに残る程度だが、道の両脇は見事なほどに雪が降り積もっている。展望台の道標が脇道を示しており、一歩足を踏み出すと足首まで埋もれてしまう。やっと峠を越え下り坂に差し掛かると、登りの辛さ以上の滑る恐怖が待っていた。こんな日でも道行く人たちとは多くすれ違う。多くはトレッキングシューズを履き、いかにも「山歩き」という出で立ちの中高年なのだが、スニーカーとパンプスという若いカップルもいた。まあ、遭難することはないでしょう。
          旧国道に沿って、時折車道横の歩道を通り、どんどんと降りてゆく。石畳の道ばかりかと思っていたがそうではなく、自然遊歩道のようなところがあったり、先に書いた車道脇を通ったりというのがほとんどで、観光案内に出てくるような石畳に杉並木というのはほんの一部だけだ。しかもすぐ近くに車道が走っていてバスも通っている。上手くバスを利用して歩いてみるのも手だ。
          途中蕎麦屋で30分ほど休憩し、とろろ蕎麦をいただく。転ばぬようにと、普段とは違う筋肉を使ったせいか、いつにも増して疲労感が両脚を支配する。3回ほど転びそうになったが、4時間ほどで無事湯本に到着。
          次回は、湯本から芦ノ湖を目指さねばなるまい。

           

          武蔵国六社を巡る

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            今年の夏休みはたっぷり9日。とは言っても、暑いし、金はないし、遊んでくれる人もいないので、家でゴロゴロしているか、涼しくなってからチャリでそこらをひと回り、であっという間に過ぎていく。このままではいかん。夏休みで9日間なんてカレンダーの並びは今後滅多にあるもんじゃない。せめて武蔵国六社巡りだけでも完結させよう。

            金鑚(カナサナ)神社は、武蔵の国の北のはずれ、上野の国との国境となる神流川(かんながわ・利根川水系)に近い御獄山山麓に鎮座する。社殿後背の御室山(御室ヶ獄)を神体山として祀っているそうだ。地図でみると、駅から遠い、最寄のバス停からも遠い、どうみても山の中、武蔵国六社に数えられていなければ絶対に行かないだろう、という場所である。

            新宿駅から新宿湘南ラインに乗り1時間半で本庄駅へ。南口から神泉支社行のバスに約30分ゆられて新宿で下車。本庄駅方面にやや戻って交差点を右折して上り坂へ。二車線の道路は2、3分に1台くらい車が通る。歩行者は自分だけ。5、6人のチャリダー集団が坂の上から降りてきたが、それ以外は自転車も見ない。この辺りだと、コンビニ行くのも自動車で、なのだろう。(もちろん近くにコンビニはないのだけど)きっとすれ違う自動車の運転手から見ると、「わぁびっくりした。人が歩いてんよ」なんだろう。坂道を登っていくと、はじめあった歩行者と車道を隔てるブロックはなくなり、道路に引かれた白いラインだけになった。人が歩いていることを予想していないドライバーは結構なスピードで坂道を下ってくる。怖い。20分ほどで上り坂の一番高いところにたどり着く。道路はやや下ったところから左にほぼ90度折れ曲がっていて、その曲り口正面に金鑚大師の案内が立っている。下っていくと、左に折れた道路の反対側、左の道路から見ると正面に山の中とは思えない立派な鳥居が立っている。目的地の金鑚神社である。参道左に小川が流れている。砂防工事が終わったとの看板が立っていて、見下ろすと、確かにコンクリートで綺麗に整備されている。ほぼ平坦な参道を行くと右手に20台は停められそうな駐車場に乗用車が3台停まっている。さらに進むと右手に多宝塔が見える。多宝塔へと向かう坂道はぎっしりと苔で覆われており、その上を歩くと1センチほど靴が沈み込んでいく。スポンジの上を歩いている感じだ。あまりに苔に申し訳ない気がして、2メートルほど登って写真を撮りすぐに引き返した。
            主祭神
             天照大神 (あまてらすおおかみ)
             素戔嗚尊 (すさのおのみこと)
            配祀神
             日本武尊 (やまとたけるのみこと)

            あいにく、今にも降ってきそうな空模様である。境内をひと回りして、社務所で御朱印もらって帰ろう。ところが間が悪い。宮司さんが不在で二時にならないと帰らないから御朱印書けません、と。雨、降りそう。二時まで(二時間近くある)何をして待てとおっしゃるの?残念ながら御朱印は諦めて帰途につくことに。
            バスは1時間に1本。乗り遅れたら大変。早目にバス停まで降りて待つ。待っているうちに雨がポツリ→ポツ・ポツ→ザーとあっという間に本降りになった。雨が降るとバスが遅れるのはいずこも同じ。定刻を10分ほど過ぎて、ようやく本庄駅行きのバスに乗り込んだ。
            駅に着くころには雨も上がり、さて、中途半端な時間だ。これから新宿まで戻って15時、まだ明るい。そうだ。杉山神社まで行こう。
            湘南新宿ラインで渋谷まで戻り、田園都市線で青葉台を目指す。急行なら渋谷から30分だ。青葉台から宮前を通るバスを探す。バス乗り場案内で自分の降りたいバス停を選んで検索すると何番乗り場のどこ行きのバスに乗れと指示してくれる。便利。
            バスは市街地を抜けて田園風景の中を走る。道路沿いには民家がたくさん建っているが、その裏手は畑が広がる。宮前のバス停はそんな中にある。バス停の目の前に杉山神社と刻まれた大きな石塔がたっている。北側の小高い緑の丘に鳥居から伸びた石段が続いてる。石段を上ると「村の鎮守の神様の〜」的なこじんまりとした境内に出る。どことなく懐かしいようなノスタルジックな臭いがプンプンしてくる。

            主祭神:五十猛命 イソタケル スサノオの子、林業の神
            配祀神:大日霊貴命(おおひるめのむちのかみ 天照大神)・素戔嗚尊・太田命

            一応、これで六社めぐり終了。

            十日市場駅まで歩いて長津田で田園都市線に乗り換え、今度こそ帰途に着いた。すっかり暗くなってしまった。

            武蔵国の一之宮(その二)

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              過去に大宮へ行ったという記憶がない。かろうじて新幹線で通ったくらいか。誠に申し訳ないほど馴染みのない土地である。

              大宮の氷川神社へ行こうと思ったのはグダっと蒸し暑い日だった。この夏の間に武蔵国六社参拝を終わらせるべく、中途半端な距離感の氷川神社と杉山神社は思い立った時に各個撃破していくしかない。
              新宿から埼京線で池袋方面へ向かうのは初めて。思ったより大宮って近いんですね。
              大宮駅から東へ東へと歩く。やがて北へ伸びる2車線ほどの広い参道に行き着く。さすが『大宮』。その地名に恥じぬ立派な神社が参道の先に待ち構えているに違いない。それにしても暑い日だ。

              スサノオをお祀りする神社は各地に多くあるが、代表格が氷川神社と須賀神社だそうだ。アマテラスが岩戸に隠れる原因となったやんちゃな頃のスサノオを祀っているのが氷川神社で、出雲で大人になった治世者の頃が須賀神社、というようなことをどこかで読んだ記憶がある。(信ぴょう性は薄い)  また祇園信仰と結びつくかどうかで2種類に分ける場合もある。牛頭天王とスサノオが結びついた所謂 神仏習合 である。代表が前述の須賀神社や(祇園祭りといえば)八坂神社であり、祇園信仰と結びつかない神社の代表が氷川神社というわけである。景行天皇の時代に出雲の氏族がこの辺りに移り住んだとのことだ。出雲と武蔵の国の繋がりは実は深い。赤坂や渋谷など都内各地に氷川神社が勧進されているのも頷ける。

              改めて 主祀神
              須佐之男命 (すさのおのみこと)
              稲田姫命 (いなだひめのみこと)ヤマタノオロチ伝説に出てくるヒロイン
              大己貴命 (おおなむちのみこと)大国主のこと

              さて、氷川神社といえば、武蔵国一之宮について整理しておく必要があろう。
              南北朝時代に編纂された『神道集』に武蔵国の一之宮から六之宮までの記述があり、それには氷川神社は三之宮とある。
              武蔵国総社の大国魂神社はその説を採用し一之宮を小野神社としている。
              一方、室町時代の『大日本国一宮記』には各国の一之宮神社が記述されており、武蔵国の一之宮として氷川神社が挙げられている。現在の小野神社と氷川神社を比べると氷川神社の方が社格は上のように見えるが、1から6まで揃っている方が1単体より説得力があるように感じる。個人的には、そんなに一宮に拘らなくてもと思うのだが・・・ちなみに御朱印帖には小野神社は『武蔵国一之宮』とあり、氷川神社は『武蔵一宮』とある。微妙に違うのは意図してのことだろうか。


               

              せっかくの大型連休なので秩父へ行こう

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                久しぶりにゆっくり休めるって感じの大型連休。家でゴロゴロは勿体ないが、一人で遊び歩く勇気もないのでかみさんを誘って秩父へと出かけることにした。
                国分寺から西武線で所沢へ抜け、秩父行の急行に乗り換え。以前の勤め先の秩父工場へよく通ったルートである。
                うちのかみさんと出かける際、いつも大きな問題となるのが「けして早い時間には出られない」という点だ。この日もなんやかんやで時間がとられ、秩父に着いたらもうお昼という時間だ。
                帰りの電車が気になる。特急指定券を今のうちに買っておけば、帰りは座って帰れるだろうが、こんな時間にやって来て取れる指定券は早い時間か遅い時間しかない。「早めに来てここ(西武秩父駅)始発の電車に乗れば座れるんじゃないの」と甘い考えで指定券は買わないことにした。
                それにしてもすごい人手。今まで秩父でこんなにたくさんの人を見たことがない。タクシー乗り場も行列ができている。
                15分ほど待って、芝桜を見に羊山公園へ。
                タクシー降り場から人の波に流されるようにしばらく歩いて入園ゲートの列へ。一人300円を払いさらに進むと、眼下に丘の斜面いっぱいに咲く様々な色の芝桜が広がる。四月から咲き始めるという芝桜は、この連休がほぼ見頃の終わりになる。後から植樹したりして無理やり見頃を引っ張っているようにも思える。満開の頃はさぞかしきれいだろう。
                それにしてもすごい人手だ。お天気も良すぎてやっと見つけた空いているベンチに腰を下ろしているだけで日焼けしそうだ。
                さっきタクシーを降りたところまで戻って帰りのタクシーを待つ。長い行列ができている。20分ほど待ってやっとタクシーに乗り込み秩父神社へ向かった。
                武蔵国四之宮
                主祀神
                 八意思兼命 (やごころおもいかねのみこと)知恵を司る神
                  岩戸隠れの際に、天の安原に集まった八百万の神に天照大神を岩戸の外に出すための知恵を授けたこととされている。
                 知知夫彦命 (ちちぶひこのみこと) - 八意思兼命の十世孫で、初代知知夫国造
                 天之御中主神 (あめのみなかぬしのかみ) - 鎌倉時代に合祀  最初に出現した神
                 秩父宮雍仁親王 - 昭和天皇の弟。昭和28年に合祀
                秩父神社の石畳の風情ある参道を歩いて西武秩父駅まで戻る。何度も秩父には来ているが、秩父神社も車の中から見ただけ、この参道も初めて歩く。古い建物も多く、歩いていて気持ちの良い参道である。

                駅でお土産を買い求め、帰りの電車へ。秩父鉄道からの直通ですでに満員。「だから指定券買っておけばよかったじゃない」帰りの電車の中、かみさんの小言をずーっと聞かされた。
                 

                久しぶりの九州一人旅 第2日目

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                  8月13日(火)
                   寝苦しくて夜中に何度も目が覚めた。前述の「古事記」の解説書を1節読んでは寝、さらに1節読んでは寝を繰り返す。が、4時過ぎたところで寝るのを諦めて外が明るくなるまで読書の時間にした。


                  5時を過ぎて、ようやく外はホンノリ明るくなったきた。だがしかし、民宿のようなビジネスホテルの入り口は多分閉まっているだろう。勝手に外に出てよいものやら。でも見た目古希を越えたかどうかの民宿のようなビジネスホテルの主人は、そろそろ起きてくるに違いない。二階の部屋だったが、結構階下の物音がするので、主人が起きれば気配でわかるだろう。
                  (そうか。なかなか眠れなかったのは、夜中、下で洗濯機が廻っていたせいだ。)

                  6時少し前になって、その気配がした。洗顔用のタオルと歯ブラシを持って階段を下りる。トイレの奥に洗面台があった。ついでに様子を伺うと、朝早い客はもうチェックアウトを済ませたようだ。
                  では、と、部屋に戻って散歩の用意をしてから再び階段を下りる。玄関あたりにいた宿の主人に「散歩に行ってきます」と声をかけ、やっと外に出た。

                  外に出たものの、どこに行くかは決めていない。昨日の観光イラストマップを広げ、高千穂駅を目指すことにした。街のほぼ中央にある交差点から坂道を登る。高千穂町役場と思われるこの辺りでは一番立派な建物の前を通りさらに登る。道路の両脇に植えられた街路樹は何の木だろう。青々と枝を広げ、根は歩道にはっきりと凸凹を作っている。きっとこれから暑くなるのだろうが、これはしっかりと木陰を作ってくれるだろう。
                  オレンジ色の朝日が坂道の右側から差し込んできた。今日もいい天気になりそう。

                  坂道を登りきった辺りに、陸橋がかかっていた。覗き込むと、橋の下は線路である。橋のすぐ西側に高千穂駅の駅舎が見えた。既に廃線となってしまった高千穂線だが、その要因が台風により橋脚が流されてしまい、復旧を断念したというのが悲しい。せっかく、日本国有鉄道が無駄な金を注ぎ込んで作った鉄道施設なのだから使えるうちに有効利用しなくては。ねぇ。

                  さて、次はどこへ行こうか。今日のプランとしては、午前中に天岩戸方面、午後から高千穂峡方面へ行ってみようと思っている。「あまちゃん」が始まるまでには民宿のようなビジネスホテルに戻りたいし、徒歩だとそんな遠くまでは行けない。観光イラストマップを再び広げてみる。今回は時間がないかなと諦めていた荒立神社を目指すことにした。

                  荒立神社は猿田彦とアメノウズメが結婚するのに慌てて作った社が起源だそうだ。興梠姓が多いこの辺りの興梠さんの氏神のような神社らしい。いかにも小さな集落の神社といった風情で、集落と後ろの里山の堺にひっそりと立っている。神社に着いたのが午前七時ちょっと前。境内にはたぶん近所(お召し物がラフなので)のおじさんが一人。毎朝御参りしているのだろう。とそのとき、「ピピピピッ、ピピピピッ」という電子音。とほぼ同時に、おじさんが木槌で板を叩き始めた。それに合わせるかのように遠くから寺の鐘の音。そうか、7時だ。7時の時報ですね。おじさんの叩く板の音とその音に被さるような鐘の音が絡み合って山間の集落のどんよりとした空気を揺らしている。結構な力で7回叩き終えたおじさんは、「おはようございます。」と声を掛けてから、一仕事終えた爽やかな短い石段を降りていった。

                  観光イラストマップには、荒立神社のこのあたりは「神話史跡コース」として紹介されている。コースを巡る遊歩道のようなものがあるらしい。が、道標らしきものは見当たらない。イラストマップ故、描いてある道路と目の前の道路が同じものなのかも特定できない。多分こっちが遊歩道かなと、帰る方角と同じ向きに伸びる路地を進む。軽自動車がようやく通れるかどうかの細い道だったが、すぐに小型のトラクターがようやく通れるくらいまでさらに細くなった。左右の民家からはNHKの朝のニュースが聞こえてきた。そうだ。『あまちゃん』を見なくっちゃ。あと45分で民宿のようなビジネスホテルに戻らなくては。迷子になっている余裕はない。さらにテクテクとテンポ良く歩き出すと何やら道標が目の前に。どうやら「神話史跡コース」のメインストリートのようだ。90度向きを変え人が並んで通るのがやっとという道路というより玄関先を歩く。家の前で掃除をしているおじさん。普通に玄関前を掃いているのだが、「おはようございます」と言って手を止め、私が通り過ぎのを待ってくれた。そんな路地を通ると神社の清めの水。マップを取り出すと「くしふる(とても難しい漢字でございます)」神社らしい。おっと。石段が結構ある。「あまちゃん、あまちゃん」心でそう呟きながら三、四十段くらいの階段を一気に上った。


                   

                  久しぶりの九州一人旅 第1日目

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                    プロローグ。
                    7月下旬の事。うちのカミさんと「夏休みどうするの?」的な話をしていたのだが、どう話が展開したのか、「じゃあ、一人で天草行ってくれば?」という事になった。それじゃあお言葉に甘えまして、とばかりに家族連れだと批難浴びまくり必至の自由気ままな一人旅に出かけることになった。

                    8月12日(月)
                    早起きして羽田空港へ。通勤の際も電車の中は睡眠時間と決めているのだが、この日は電車もモノレールも座れず頭がぼーっとしていた。飛行機に乗ったらゆっくり眠れる。それまでの辛抱だ。そう自分に言い聞かせていたら、出発ロビーにあるSamantha Thavasa の店員さんの制服の余りに短いスカートで目が醒めてしまった。蝦ちゃんには似合うかもしれないけど、ちょっと短じか過ぎるよね。

                    飛行機は B-777。とても快適。現在もっとも安全な飛行機だと思う。(航空会社の選択さえ間違えなければ)

                    熊本空港到着後、一旦 熊本駅へ向かう。
                    今回、天草へ直行するのではなく、高千穂を旅行してみることにした。しかしながら、熊本から高千穂への交通機関は、一日2往復(朝・夕)のバスのみである。朝のバスに乗れなければ、次は夕方のバスしかない。何時間もバスを待って過ごさなければならない。熊本空港は阿蘇の玄関口のような錯覚があるが、実は、広大な阿蘇の端っこであり、数時間の単位で時間を潰せるような所はこの近くにはない。結構どこへ行くにも不便な所だ。高千穂行きのバスは熊本空港を通るのだが、そうした事情により敢えてバスの始発の熊本駅まで行き、そこで時間を潰すことにした。

                    熊本駅の周辺は新幹線開通の影響か、大きく変貌を遂げていた。やたら予備校が多い。駅近くの北岡神社はそれだけが取り残されたように小高い丘の上に鎮座していたが、周りの道路は新幹線の高架により寸断され、古い家屋を取り壊してそれに替わる道路が高架下をくぐる。北岡神社の裏から花岡山へ続く陸橋はすでになく、ぐるりと遠回りしてようやく横手町に抜けられた。

                    季節は真夏。夏の太陽ギラギラの下、何を思ったか、花岡山に登ってみることにした。

                    地獄坂、極楽坂、男坂、女坂、そんな名前の坂がいくつもあった気がする。墓地の中を抜ける坂道を登っていくことにする。半分も登らないのに汗が噴出してきた。水分補給をしながら、中腹のかつてお茶屋さんが並んでいた一角に出た。赤星茶屋はすでに更地になり、藤田茶屋は人の気配がなかった。少し登ったところに、西南戦争で薩摩軍が熊本城を砲撃した大砲を据えたというところがある。かつては熊本城がはっきり見えたが、今は前方の竹薮がその景色を塞いでしまっている。
                    ここからさらに階段を登る。信じられないくらいの汗だ。命の危険を感じながら、ようやく頂上の仏舎利塔に辿り着いた。ここから見ても熊本駅周辺の変わり方は著しい。30年前と変わらないのは路面電車と熊本駅の0番線ホームくらいだろうか。

                    午後3時半。まだ暑い中、高千穂行きのバスにようやく乗り込む。熊本空港から熊本駅までバスでやってきた同じ道を通って、高森町経由で高千穂へ向かう。空港を過ぎると阿蘇の外輪山だろうか、九州山地だろうか、目の前の山が次第に大きくなっていき、バスは長い上り坂を悠々と走る。谷間に架けられた橋をいくつも渡り、長短さまざまなトンネルをくぐる。暗いトンネルの中でも上り坂であることははっきりと分かる。ふと山の上を見上げると、風力発電の風車が威風堂々と並んでいる。どうやってあの機材をあそこまで運んだんだろう、なんて考えていたら、眼下に盆地が広がっていた。バスは今度は右に左にゆったりとカーブを切りながら盆地に向かって降りていく。

                    阿蘇五山の中でも、そのユニークなフォルムで人気なのが根子岳だ。高森からは根子岳がすぐ目の前(上)に見える。高森のバスセンターでトイレ休憩があって、バスは10分ほど停車する。ごめんなさい。高森のこと、何にも知りません。高菜漬は美味しそうな気がするが。

                    高森を出てしばらく走ると、激しい雨が降ってきた。いや、正しくは、バスは激しい雨の降っているところを通った。ほんの10分も走ると、道路がまったく濡れていない。なんとなく「山の天気」らしくてよい。
                    バスは再び坂道を登り山道に入っていく。トンネルがやたらと多い。そろそろ熊本・宮崎の県境ではないかと思われるが、そこがどこだったのかまったく分からなかった。道路に「宮崎県」とか書かれた標識が出ているものでしょうが、見つけられず。「九州のへそ」なる看板があったが、その近くだったのかもしれない。

                    午後7時を廻ると、あっという間にあたりは暗くなった。そろそろ目的地は近い。
                    ほぼ予定時刻(18時30分)に高千穂バスセンターに到着。3時間のバスの旅。結構シンド。

                    すぐに民宿のようなビジネスホテルにチェックイン。風呂が共用で時間制限もあるとのことで、さっと汗を流してから神楽見物に出かけることにした。と、町に出てみたが、結構暗い。思ったより観光案内版が少ない。民宿のようなビジネスホテルから観光イラストマップを貰ってきたが、暗いから地図が見られない。数少ない街灯の下で地図を広げるものの、現在位置が分からない。ようやく地図に載っている「高千穂小学校」を発見。あら?まったくの逆方向に歩いてたのね。
                    高千穂神社の神楽殿に着いたのが始まる3分前。間に合った。
                    観光用の神楽なので、天岩戸のお話とイザナギ・イザナミの神楽と、サービス精神旺盛な舞だ。本来は、神々のために夜通し舞われるそうで、神話の故郷の素朴な人々の楽しみとしての要素が強いのだろうな。神楽は神様に楽しんでもらうためだけではなく、見る人も、舞う人も楽しそうだ。

                    夕飯がまだだった。神楽の帰りにコンビニでビールとサンドイッチを買って、民宿のようなビジネスホテルへ帰って食す。熊本駅で買った「古事記」の解説書を読んで就寝。

                    上海旅行メモ (5)

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                      今日は日本に帰る日。

                      朝食後、人民公園に行ってみた。
                      ここで疑問が。

                      Nishiyama Falls

                      公園内の「西山瀑布」の案内板なのだが、これを見て 「ええ?どうして?」 と思って皆で考え込んでしまった。拾ってきた写真なので判りにくいが、左側に 「Nishiyama Falls」とある。本来なら「XiShan Falls」であるべきではないか。なぜ日本語読みなんだ、と。
                      仮説1.日本の人名説:日本人の西山さんに因んで命名された?
                      仮説2.発注ミス説  :日系企業に発注したが、出来上がるまで気がつかなかった?
                      仮説3.ゴマすり説  :日中国交回復何年かの記念だったので、日本語読みにしてみました?
                      ご存知の方は、是非ご一報ください。

                      お昼ごはんを錦江飯店の敷地内にあるレストランでとる。

                      隣の10人以上座れる丸テーブルに置かれた、紫色の液体に満たされたピッチャーが気になった。
                      少年少女がゴクゴク飲んでいるからソフトドリンクの類なのだろうと、頼んでみることにした。
                      紫芋のジュースだそうだ。ジュースというわりにはポタージュスープのようにドロドロっとして生温かい。味は結構いける。なんでも台湾で流行っているそうだ。

                      浦東空港へ

                      到着も第2ターミナルだったが、とにかく広い。端から端まで400メートルはありそう。(グーグルの航空写真でみたら1400メートルくらいあった)

                      5年前に上海に来たとき、お土産に上海蟹プリッツを購入したが、意外と好評だったので今回も買うことにした。だが、なかなか見つからない。お土産屋さんは建物中央あたりに集まっているが、それでもこの広さである。根気よく探してようやく見つけた。
                      上海蟹味だけでなく、広東フカひれスープ味と四川マーボー豆腐味も購入。ちゃんとしたグリコの製品である。以前は北京ダック味もあったよね。

                          





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